歯周病

歯周病とは、細菌の感染によって引き起こされる炎症性の病気です。歯と歯ぐきの境目がきれいになっていないと、細菌が集まって、周りの歯ぐきが赤くなったり腫れたりします。

ほとんどの場合痛みはないですが、進行すると歯ぐきや歯を支える骨が溶けてしまい、最後には歯を抜かないといけなくなったり、自然に歯が抜け落ちたりします。

日本では、30歳以上の人の約80%が歯周病だといわれています。

歯周病は、高血圧や花粉症と同じで一生付き合っていく病気ですが、程度によって治療法は変わります。

当院では、独自のプログラムで治療を行っています。

初回診療時に10~20分程度お話をします。患者様の生活スタイルに合わせた無理のない治療法を一緒に考えましょう。

また、患者様が通い続けられるように、心地よい空間や設備で雰囲気づくりにも力を入れています。

こんな場合は歯周病かも…

このような症状があれば歯周病治療が必要な危険性があります。

● 歯ぐきから血が出ている
● 歯ぐきが赤く腫れている
● 歯ぐきに違和感がある
● 歯ぐきが下がってきた気がする
● 歯並びがずれてきた気がする
● 歯と歯の間にすき間ができてきた
● 歯がグラグラする
● 硬いものが嚙みにくい
● 口臭が気になる
● 朝起きたら口の中がネバネバしている

歯周病の原因は?

歯垢の中に含まれる歯周病菌が原因です。歯垢は、食べかすを餌に細菌が繁殖したもので、食後4~8時間でつくられます。

歯周病菌が悪さをして、歯ぐきに炎症が起きているのが歯周病です。歯周病は自覚症状がほとんどないまま、進行します。

歯周病菌は酸素の少ない場所を好むので、歯と歯ぐきの間にある歯周ポケットを住処にします。この歯周ポケットのお掃除が行き届いていないと、歯周病菌はどんどん増えてしまうんです。また、ストレスや睡眠不足、生活習慣の乱れにより免疫力が低下しても、歯周病菌は増えやすくなります。

歯周病になりやすい人

● 45歳以上の人
● 喫煙者
● 妊婦
● 糖尿病にかかっている人
● 歯磨きの仕方が悪い人

当院の歯周病治療の特徴

無理なく続けられる歯周病治療

歯周病治療は歯科医院で行う治療以上に、患者さまご自身でのセルフケアが大切です。とはいえ、患者さまにとって負担が大きすぎるセルフケアの方法では継続が難しいでしょう。

そこで当院では初診時に10~20分ほどの時間をかけて、患者さまの現在のお口の状態や歯周病についてしっかりご説明します。そして、患者さまの生活スタイルを教えていただきながら、ご自身で無理なく続けられるご家庭でのセルフケア方法を一緒に考えていきます。

できる限り丁寧にご説明をし、患者さまのお話もしっかりとお聞きしますので、あきらめずに治療を継続いただけると幸いです。

学会などで効果が実証された「歯周基本治療」

私どもは「歯周基本治療」に力を入れています。歯周基本治療とは、歯周病の治療の基本である検査とクリーニングを徹底する治療法です。

日本の歯周病治療では、簡略化した検査だけで治療を進める場合が多いのですが、当院では簡略化せずに精密な検査をしています。そのため、よりお口の状態に合った効果的な治療計画を立てることが可能です。

クリーニングでは、歯にこびりついた歯石を丁寧に除去します。そして治療が終了した後に再度詳しい検査を行い、治療前に行った検査結果と比較して歯周病の症状が改善しているかを確認します。

検査とクリーニングは歯周病治療の基本であり、学会などで効果があると実証されている治療法です。これらを忠実に行うことで、歯周病を改善させていきます。

経験30年以上の歯科衛生士が担当

歯周病の原因は、歯や歯周ポケット(歯と歯ぐきの間の溝)についた歯石やプラーク(歯垢)です。
歯周病の治療は、歯石やプラークを取り除くことが重要です。

この歯石やプラークの除去の処置は、歯科衛生士が担当します。しかも私どもの歯科医院では、患者さまお一人おひとりに専任の歯科衛生士をおつけします。

治療の過程で複数回にわたって行う歯石やプラークの除去は毎回、同じ衛生士が施術を実施。また、ご家庭での歯磨きやお口のケアの方法もお教えします。ずっと同じ衛生士が担当することによって、お口の中の変化にも気づきやすく、よりきめ細やかなケアが行えるのです。

しかも、担当する歯科衛生士は経験30年以上(※)のスタッフをはじめ、経験豊富な歯科衛生士ばかりです。患者さまのお口の状態に、より適切なケアをご提供いたします。

※2021年現在

治療法

歯肉炎

【歯周病の状態】
歯ぐきだけに炎症が起こっています。
歯磨きのときや硬いものを食べたときに、歯ぐきから血が出ることがあります。
歯周ポケットの深さは3mm以内です。

【治療法】
歯科衛生士による歯のクリーニングと歯磨き指導をします。

歯周炎

歯ぐきの炎症が広がり、歯を支えている骨まで溶かしている状態です。

軽度歯周炎

【歯周病の状態】
歯を支えている骨が溶け始めています。
歯磨きのときに血が出たり、歯がうずいたり、歯ぐきが腫れたりします。
歯周ポケットの深さは3~4mmです。

【治療法】
スケーラーという器具を使って、歯の表面や根っこの周りに付いている歯垢や歯石を取り除きます。

中等度歯周炎

【歯周病の状態】
歯を支えている骨が1/3~2/3溶けてしまっています。
冷たい水がしみたり、歯磨きのときに血が出たりします。

歯ぐきが腫れたり治ったりを繰り返します。
歯がぐらついたり、歯ぐきから膿が出て口臭が気になったりすることもあります。
歯周ポケットの深さは5~7mmです。

【治療法】
歯垢や歯石の除去を行いますが、歯周ポケットの奥に付いた歯石の除去には痛みを伴うことがあるので、麻酔を使います。
また、歯周ポケットを切開して歯石を取り除くという外科治療もあります。

重度歯周炎

【歯周病の状態】
歯を支えている骨が2/3以上溶けてしまっています。
歯がグラグラして硬いものが嚙みにくくなります。
歯磨きのときに毎回血が出ます。歯ぐきを指で押すと膿が出て、口臭が気になることもあります。
また、歯が長くなったり、歯と歯の間のすき間が広がったり、物が詰まりやすくなったりします。
放置していると、自然に歯が抜けてしまうこともあります。歯周ポケットの深さは7mm以上です。

【治療法】
歯垢や歯石の除去、外科治療を行います。状態が悪いときは歯を抜くこともあります。

歯周病治療の流れ

1.検査

まず、歯の表面の歯垢の付着状態を確認します。
次に、プラーグという器具を用いて、歯周ポケットの深さ、出血の有無、歯のぐらつきを測定し、歯肉炎・歯周炎の状態を確認します。

2.応急措置

痛みや腫れが出ている場合は応急処置をします。
化膿している場合は、膿を出す外科治療を行うこともあります。

3.歯磨き指導

歯周病菌の住処である歯垢をしっかり取り除けるよう、歯科衛生士が歯磨きの仕方を指導します。
患者様の歯磨きのクセを見抜いて、磨き残しをしやすいところも指摘します。

4.歯の表面の歯石排除

歯ぐきよりも上にある歯垢と歯石を取り除きます。

5.歯周ポケットと出血の検査

歯と歯ぐきの間の出血の有無を確認します。出血や炎症が治まれば次のステップに進みます。

6.歯周ポケット内の歯石の除去

歯と歯ぐきの間にあり歯垢や歯石を取り除きます。

7.歯周外科

状態に合わせて必要があれば外科的治療を行います。

8.再検査

治療が終わってから一定期間が経てば、歯科医師や歯科衛生士による検査をします。

【チェックポイント】
・ 歯ぐきの炎症の有無
・ 歯垢の付着具合
・ 歯周ポケットの深さ

9.定期メンテナンス

定期的に当院にお越しいただき、歯科衛生士が歯垢と歯石を取り除く、歯のクリーニングをします。
歯周病の進行を防ぐために、定期的なメンテナンスをお勧めしています。