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口ゴボはマウスピース矯正で治る?原因の見分け方と治療法を解説

口ゴボはマウスピース矯正で治る?原因の見分け方と治療法を解説 川口市イオンモール川口3階の歯医者・矯正歯科「川口サンデー歯科・矯正歯科」です。

横顔の口元が突出して見える「口ゴボ」にお悩みではありませんか?鏡を見るたびに気になったり、写真に写る自分の横顔に自信が持てなかったりする方もいらっしゃるでしょう。特に、目立ちにくいマウスピース矯正でこの悩みが解決できるのか、疑問に思っている方は多いはずです。

この記事では、口ゴボの原因が歯並びによるものなのか、それとも顎の骨格によるものなのかを見分けるポイントから、原因に応じた適切な治療法までを詳しく解説します。マウスピース矯正が効果的なケースと、ワイヤー矯正や外科矯正が必要になるケースの境界線を明確にすることで、ご自身の口ゴボがどのような治療で改善できるのか、その道筋がきっと見えてくるでしょう。

もしかして口ゴボ?まずは簡単セルフチェック

自分の口元が前に出ていると感じても、それが「口ゴボ」なのかどうか、自分で判断するのは難しいものです。ここでは、簡単にできるセルフチェックをご紹介します。ご自身の口元と照らし合わせながら確認してみてください。

口を自然に閉じようとすると、口元や顎に力を入れてしまう

意識しないと、口が半開きになっていることが多い

顎の先端に梅干しのようなシワができる

横顔を見たときに、鼻先や顎先よりも唇が明らかに前に出ている

もしこれらの項目に当てはまるようでしたら、口ゴボの可能性があります。次からのセクションでは、さらに詳しく口ゴボの定義や、客観的な判断基準となる「Eライン」について解説しますので、ぜひ続けてご覧ください。

口ゴボとは?出っ歯との違い

「口ゴボ」という言葉は一般的に広く使われていますが、医学的には「上下顎前突(じょうげがくぜんとつ)」や「両顎前突(りょうがくぜんとつ)」と呼ばれる状態を指します。これは、上下の顎の骨や歯全体が前方に突出していることで、口元全体が盛り上がって見える状態のことです。口ゴボの場合、歯は比較的整っていても口元だけが突出して見えるケースもあれば、出っ歯を伴うケースもあります。

一方、「出っ歯」は「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」とも呼ばれ、主に上の前歯が過度に前方に傾斜していたり、上顎の骨が前方に出ている状態を指します。口ゴボと出っ歯の大きな違いは、口ゴボが口元全体が前に出ているように見えるのに対し、出っ歯は主に上の前歯や上顎が前に出ている点です。口ゴボは歯の並びだけでなく、歯を支える顎の骨格に原因がある場合も多く、この原因の違いによって適切な治療法も大きく変わってきます。

Eラインでわかるあなたの口元タイプ

口ゴボのセルフチェックでよく用いられるのが、「Eライン(エステティックライン)」です。Eラインとは、横顔を見たときに「鼻の先端」と「下顎の先端(オトガイ)」を直線で結んだ線のことを指します。このEラインは、横顔の美しさや口元のバランスを評価する上で重要な指標の一つとされています。

理想的な横顔の場合、唇はEラインに触れるか、あるいはやや内側に位置すると言われています。この状態であれば、口元が自然で、バランスの取れた横顔と評価されます。しかし、唇がEラインよりも明らかに前に出ている場合は、口ゴボの傾向があると判断できます。ご自身でチェックする際は、横顔の写真を撮り、定規などで鼻先と顎先を結んでみると分かりやすいでしょう。

ただし、このEラインチェックはあくまでご自身で口元のタイプを把握するための目安です。鼻の高さや顎の形は個人差が大きく、理想とされるEラインの基準に当てはまらない場合でも、口元全体が突出しているとは限りません。ご自身の口元が本当に口ゴボであるか、またその原因は何かを正確に診断するためには、歯科医師による専門的な検査と診断が不可欠であることを忘れないでください。

なぜ口ゴボになるの?原因は歯?それとも骨格?

口元の突出感に悩む「口ゴボ」は、見た目の印象に大きく影響するため、その原因を正しく理解することが治療の第一歩となります。口ゴボの治療法は、原因によって大きく異なるため、ご自身の口ゴボが何に起因するのかを知ることは極めて重要です。原因を特定せずに治療を進めてしまうと、期待通りの効果が得られなかったり、無駄な費用や時間が発生してしまったりする可能性もあります。

口ゴボの主な原因は、大きく分けて「歯並びの問題(歯性)」「顎の骨格の問題(骨格性)」「口呼吸や舌の癖などの後天的な習慣」の3つに分類できます。ご自身の口元がどのタイプに当てはまるのかを考えながら、この後の詳しい解説を読み進めてみてください。

原因① 歯並びによる「歯性の口ゴボ」

歯性の口ゴボとは、顎の骨の位置自体には大きな問題がなく、歯の生え方や位置が原因で口元が前に突き出している状態を指します。このタイプは、大きく2つのパターンに分けられます。

一つは、前歯が全体的に前に傾斜している、いわゆる「出っ歯」の状態です。もう一つは、歯が並ぶスペースが顎の中に十分に確保されておらず、歯が前に押し出されるようにして生えているケースです。骨格的な問題がなければ、歯の角度や位置を矯正によって改善することで、口元の突出感を解消できる可能性が高いです。特に、マウスピース矯正の適応となりやすいのは、この歯性の口ゴゴであると言えます。

原因② 顎の骨格による「骨格性の口ゴボ」

骨格性の口ゴボは、歯並びだけでなく、顎の骨格そのものに問題があるために口元が突出している状態です。具体的には、上顎の骨が過剰に前に出ている、または下顎の骨が相対的に小さい、あるいは後退しているといったケースが挙げられます。また、上下の顎全体が前に突き出している「両顎前突」も骨格性の口ゴボに含まれます。

このような骨格的な問題は、歯を動かす歯列矯正だけでは口元の突出感を十分に改善することが難しい場合があります。根本的な解決を目指すためには、外科手術によって顎の骨の位置や形を修正する「外科矯正」が必要となることが少なくありません。骨格性の口ゴボには遺伝的な要因が関与していることも多く、症状の重症度によっては歯科矯正単独での治療が困難になる傾向があります。

原因③ 口呼吸や舌の癖などの習慣

口ゴボの原因は、生まれつきの骨格や歯並びだけではありません。幼少期からの習慣や、無意識の癖が口ゴボを引き起こしたり、症状を悪化させたりすることがあります。

代表的な例としては、長期間にわたる「指しゃぶり」や、慢性的な「口呼吸」が挙げられます。また、食べ物を飲み込む際に舌で前歯を強く押す「舌突出癖」や、唇を噛む癖なども、歯並びに悪影響を与え、口元が突出する原因となることがあります。これらの悪習慣は、せっかく矯正治療を受けても、治療の妨げになったり、治療後に歯が元の位置に戻ってしまう「後戻り」の大きな原因となったりします。そのため、矯正治療と並行して、口腔筋機能療法(MFT)などによって悪習慣の改善を図ることが重要になります。

【結論】マウスピース矯正で口ゴボはどこまで治る?

口元が前に突き出ている「口ゴボ」を、目立ちにくいマウスピース矯正で改善したいと考える方は非常に多いでしょう。結論からお伝えすると、歯並びが原因で起こる軽度から中等度の口ゴボであれば、マウスピース矯正で十分に改善が期待できます。

しかし、口ゴボの原因が顎の骨格にある場合や、歯を大きく動かして口元全体を大きく後退させる必要がある重度のケースでは、マウスピース矯正だけでは満足のいく結果を得るのが難しいことがあります。そのような場合には、ワイヤー矯正や外科矯正といった、より専門的な治療法の選択肢を検討する必要があります。ご自身の口ゴボがどのタイプに当てはまるのか、そしてマウスピース矯正でどこまで改善できるのかを正しく理解することが、治療を成功させるための第一歩です。

マウスピース矯正で改善が期待できるケース

マウスピース矯正は、その特性上、歯に直接ワイヤーを装着するワイヤー矯正よりも歯を動かせる範囲に限界があります。そのため、特に以下のような口ゴボのケースで改善が期待できます。

一つ目は、前歯が軽度に前方に傾斜している「歯性の口ゴボ」です。このタイプは、歯の生えている角度を調整することで口元の突出感を軽減できます。二つ目は、歯が並ぶスペースが不足しているものの、抜歯をせずに歯列全体を奥に移動させたり、歯列を横に少し広げたりすることで、口元を引っ込めるスペースを確保できるケースです。また、歯の側面をわずかに削る「IPR(Interproximal Reduction)」という処置を併用することで、歯のサイズを調整し、必要なスペースを作り出すことも可能です。これらのケースでは、目立ちにくいマウスピース矯正で無理なく治療を進められる可能性が高いでしょう。

マウスピース矯正だけでは治らないケース

マウスピース矯正は非常に有効な治療法ですが、すべての口ゴボに対応できるわけではありません。特に、以下のようなケースでは、マウスピース矯正だけでは十分な改善が難しく、他の治療法を検討する必要があります。

まず、上下の顎の位置関係に大きなズレがある「骨格性の口ゴボ」です。この場合、歯を動かすだけでは口元の突出感を根本的に解決できないため、顎の骨自体を動かす外科矯正が必要となることがあります。次に、前歯を大きく後退させるために、抜歯が必須となる重度の口ゴゴです。マウスピース矯正では、抜歯によって生じた大きなスペースを閉鎖し、歯を大幅に後退させるのが難しい場合があります。また、奥歯の噛み合わせを大幅に動かす必要があるケースや、歯の移動量が非常に大きいケースも、マウスピース矯正だけでは限界があります。無理にマウスピース矯正を選択すると、期待した効果が得られなかったり、治療期間が著しく長くなったりする可能性があるため、注意が必要です。

歯を動かすスペースを作る「抜歯」という選択肢

口ゴボの矯正治療において、「抜歯」はしばしば検討される重要な選択肢です。抜歯が必要となる主な目的は、前に突出している前歯を後ろに下げるためのスペースを確保することにあります。特に、顎の大きさに対して歯が大きい場合や、歯を大きく後退させたい場合に抜歯が選択されます。

一般的には、前から数えて4番目にあたる第一小臼歯、または5番目の第二小臼歯を左右上下合わせて4本抜くことが多いです。抜歯と聞くと不安に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、口元の突出感を改善し、最終的な審美性や機能性を最大限に高めるためには非常に有効な手段となり得ます。マウスピース矯正においても、症例によっては抜歯を併用することで、より良い治療結果が期待できることがあります。抜歯の要否については、精密検査の結果に基づいて歯科医師と十分に話し合い、ご自身の希望と治療目標を考慮して決定することが大切です。

原因別|口ゴボの治療法と選び方

口ゴボの治療法は、その原因や症状の重症度によって大きく異なります。ご自身の口ゴボが「歯並びの問題(歯性)」によるものなのか、「顎の骨格の問題(骨格性)」によるものなのか、あるいは「口呼吸や舌の癖などの悪習慣」によるものなのかによって、最適な治療法は変わってきます。

このセクションでは、歯性の軽度なケースから骨格性の重度なケースまで、それぞれの原因と重症度に応じた治療の選択肢として、主に「マウスピース矯正」「ワイヤー矯正」「外科矯正」をご紹介します。それぞれの治療法が持つ特徴を詳しく解説していきますので、ご自身の状況と照らし合わせながら、治療法選択の全体像を把握する参考にしてください。

マウスピース矯正:目立ちにくく軽度の歯性口ゴボに

マウスピース矯正は、透明なマウスピース型の装置を装着することで歯を徐々に動かしていく矯正治療です。最大のメリットは、何と言ってもその「目立ちにくさ」にあります。装置が透明であるため、周囲の人に矯正治療中であることがほとんど気づかれず、人前に出る機会の多い方や、見た目を気にされる方に選ばれています。また、食事や歯磨きの際にはご自身で取り外せるため、普段と変わらない食事を楽しめ、口腔衛生を良好に保ちやすい点も大きな魅力です。

その他にも、金属を一切使用しないため金属アレルギーの心配がなく、ワイヤー矯正に比べて装置が粘膜に擦れるなどの不快感が少なく、痛みが少ない傾向にあることもメリットとして挙げられます。しかし、デメリットも存在します。効果を最大限に引き出すためには、1日20時間以上の装着時間を守る必要があり、ご自身の自己管理が不可欠です。また、すべての症例に対応できるわけではなく、歯を大きく動かす必要がある重度の口ゴゴや骨格性の問題が強いケースでは、マウスピース矯正だけでは十分な改善が難しい場合があります。

ワイヤー矯正:抜歯が必要な複雑な症例にも対応

ワイヤー矯正は、歯の表面(または裏側)にブラケットという小さな装置を装着し、そこにワイヤーを通して歯を動かしていく、もっとも歴史が長く実績のある矯正治療法です。この治療法の最大のメリットは、歯に直接強力な力を加えられるため、幅広い症例に対応できる点にあります。特に、歯を大きく移動させる必要がある口ゴボ治療、例えば抜歯を伴って前歯を大きく後退させるような複雑なケースにおいて、その強みが発揮されます。

一方で、デメリットとしては、装置が目立つことが挙げられます。ただし、最近では白いブラケットや透明なワイヤーを使用したり、歯の裏側に装置を装着する「裏側矯正(舌側矯正)」を選択することで、見た目の問題を軽減することも可能です。また、装置が複雑なため歯磨きがしにくく、虫歯や歯周病のリスクが高まる可能性があります。さらに、調整後は歯に強い力がかかるため、数日間痛みを感じやすいという特徴もあります。マウスピース矯正では対応が難しいと診断された複雑な口ゴボのケースでは、ワイヤー矯正が非常に有力な選択肢となるでしょう。

外科矯正:骨格の問題を根本的に改善

外科矯正は、顎の骨格に根本的な問題がある「骨格性の口ゴボ」に対して行われる治療法です。これは、歯列矯正だけでは改善が難しい、顎の位置や形そのものを外科手術によって修正することで、口元の突出感を劇的に改善し、噛み合わせのバランスも整えます。具体的には、矯正歯科治療と、口腔外科による顎の骨を切る手術(顎変形症手術)を組み合わせた治療となります。手術によって顎の骨の位置を動かすため、横顔の見た目が大きく変わり、Eラインが整うなど審美的な改善効果が非常に高いのが特徴です。

治療の流れとしては、まず術前矯正で歯並びを整え、その後に入院して外科手術を受け、さらに術後矯正で最終的な噛み合わせを調整するというステップを踏みます。この治療法は、保険が適用される場合がある点も大きな特徴です。「顎変形症」と診断され、特定の医療機関で治療を受ける場合には、公的医療保険が適用されるため、費用負担を抑えることが可能です。ただし、外科手術を伴うため、治療期間が長くなることや、手術に伴うリスクがあることを十分に理解しておく必要があります。

マウスピース矯正で口ゴボを治療する流れ

口ゴボの治療は、カウンセリングから始まり、精密な検査、治療計画の立案、マウスピースの装着、そして治療後の保定期間へと進んでいきます。ここでは、実際にマウスピース矯正で口ゴボを治療する際に、どのようなステップを踏んで治療が進むのかを時系列で詳しく解説していきます。治療開始から完了までの一連の流れを具体的にイメージすることで、不安を解消し、安心して治療に臨むことができるでしょう。

Step1. 初診カウンセリングと精密検査

治療を始めるにあたり、まず最初に行われるのが初診カウンセリングと精密検査です。カウンセリングでは、患者様が抱えている口ゴボに関するお悩みや、治療によってどのような口元になりたいかといったご希望を詳しくお伺いします。その上で、マウスピース矯正の治療の概要、費用、期間などについて丁寧にご説明し、疑問や不安を解消していきます。

精密検査は、正確な診断と効果的な治療計画を立てる上で最も重要なステップです。具体的には、レントゲン撮影(セファログラムと呼ばれる横顔のレントゲン写真を含む)、お口の中や顔の写真を撮影、そして歯型を採取します。歯型の採取は、最近では専用のスキャナーを用いて短時間で精密な3Dデータを作成できる場合も多いです。これらの検査結果を総合的に分析することで、口ゴボの原因が歯並びによるものなのか、顎の骨格によるものなのかを科学的に特定していきます。

Step2. 治療計画の立案と3Dシミュレーション

精密検査で得られたデータを基に、歯科医師が一人ひとりの患者様に最適な治療計画を立案します。マウスピース矯正の大きな特徴であり、多くの患者様に安心感を与えているのが「3D治療シミュレーション」です。このシミュレーションでは、現在の歯並びの状態から、歯がどのように動いていくのか、そして最終的にどのような口元になるのかを、動画や画像で視覚的に確認することができます。

治療後の理想的な口元を具体的にイメージできるため、患者様は納得した上で治療を開始できます。この段階で、抜歯の必要性やその本数、おおよその治療期間、総額の費用などが確定します。患者様は、治療計画の内容を十分に理解し、疑問点があれば遠慮なく質問し、納得した上で治療に進むことが大切です。

Step3. マウスピースの装着と定期的な交換

治療計画が確定すると、その計画に基づいてオーダーメイドのマウスピースが複数段階分作製されます。マウスピースが完成したら、いよいよ治療がスタートです。マウスピースは、1日に20〜22時間以上装着する必要があります。食事と歯磨きの時間以外は、基本的に常に装着しておく自己管理が非常に重要になります。装着時間が短いと、計画通りに歯が動かず、治療期間が延びたり、計画の修正が必要になったりすることがあります。

通常、マウスピースは1〜2週間ごとにご自身で新しいものに交換しながら、段階的に歯を動かしていきます。通院は1〜3ヶ月に1回程度で、歯科医師が治療の進捗状況を確認し、必要に応じて新しいマウスピースをお渡しします。日常生活の中で無理なく治療を続けられるように、分からないことや不安なことがあれば、遠慮なく歯科医師やスタッフに相談しましょう。

Step4. 治療後の歯並びを維持する保定期間

マウスピース矯正によって歯並びが整い、理想的な口元になったら、いよいよ動的治療(歯を動かす治療)は完了です。しかし、これで治療の全てが終わるわけではありません。歯は、移動した直後はまだ不安定な状態にあり、元の位置に戻ろうとする「後戻り」が起こりやすい特性を持っています。この後戻りを防ぎ、手に入れた美しい歯並びをしっかりと維持するために非常に重要なのが「保定期間」です。

保定期間中には、「リテーナー」と呼ばれる保定装置を装着します。リテーナーには、マウスピースタイプのものや、歯の裏側に細いワイヤーを固定するタイプなど、いくつかの種類があります。装着時間は、治療直後は終日装着し、徐々に夜間のみにするなど、歯科医師の指示に従って調整していきます。一般的には、動的治療にかかった期間と同程度の保定期間が必要とされています。この保定期間を怠ると、せっかくの時間と費用をかけた治療が無駄になってしまう可能性もあるため、歯科医師の指示を守ってしっかりとリテーナーを装着することが、長期的に安定した美しい歯並びを維持するために不可欠です。

口ゴボ矯正の費用と期間の目安

口元の突出感に悩む多くの方が気になるのが、矯正治療にかかる費用と期間ではないでしょうか。口ゴボの矯正費用と期間は、その原因や重症度、そして患者さんが選択する治療法によって大きく異なります。

このセクションでは、主な矯正治療法であるマウスピース矯正、ワイヤー矯正、外科矯正について、それぞれの費用と期間の目安を詳しくご紹介します。ここで提示する金額や期間はあくまで一般的な相場であり、クリニックの方針や治療計画、使用する装置の種類によって変動することを理解しておくことが大切です。最終的な費用や期間については、必ず専門医によるカウンセリングと精密検査を受けた上で、詳細な見積もりを確認するようにしましょう。

マウスピース矯正の費用・期間

マウスピース矯正で口ゴボの治療を行う場合の費用は、部分矯正か全体矯正かによって大きく異なります。前歯数本など軽度の突出感を改善する部分矯正であれば、費用は約20万円から65万円程度が相場となるでしょう。一方、口元全体を大きく変化させたい全体矯正では、約70万円から100万円程度が目安となります。

治療期間についても、部分矯正では約3ヶ月から1年程度、全体矯正では約1年から2年半程度が一般的です。これらの費用には、精密検査料、診断料、毎回の調整料、そして治療後の後戻りを防ぐための保定装置代が含まれているかを確認することが重要です。クリニックによっては、これらが別途追加費用となる場合もありますので、事前に総額費用をしっかりと確認しておくことをおすすめします。

ワイヤー矯正の費用・期間

ワイヤー矯正で口ゴボの治療を行う場合の費用は、装置を表側に装着する一般的な表側矯正であれば、約70万円から110万円程度が相場となります。もし、装置が目立たない裏側矯正(舌側矯正)を選択する場合は、技術的な難易度が上がるため、約100万円から150万円程度と費用が高くなる傾向にあります。

治療期間については、口ゴボの治療では抜歯を伴うことが多いため、歯を大きく動かす必要があり、約2年から3年程度が目安となることが多いでしょう。ワイヤー矯正の費用も、マウスピース矯正と同様に、検査料、調整料、保定装置代などが総額に含まれているか、あるいは別途発生するのかを、契約前に必ず確認しておくことが大切です。

外科矯正の費用・期間(保険適用についても解説)

外科矯正は、顎の骨格に根本的な問題がある「骨格性の口ゴボ」に対して行われる治療法です。この治療は、歯列矯正と顎の骨を切る外科手術を組み合わせるため、自由診療の場合、矯正治療費と手術費用を合わせると数百万円単位になることも珍しくありません。

しかし、「顎変形症」と診断され、公的医療保険が適用される指定医療機関で治療を受ける場合は、費用が大きく抑えられます。保険適用となった場合、自己負担額は高額療養費制度を利用することで、全体で約50万円から80万円程度に収まる可能性があります。治療期間は、手術前後の矯正治療や保定期間を含めると、トータルで3年から4年程度かかることが一般的です。外科矯正は、治療期間が長く、身体的な負担も大きいため、信頼できる専門医と十分に相談し、納得した上で治療を選択することが非常に重要です。

口ゴボ矯正に関するよくある質問

口元の突出感に悩む方が抱える疑問は多岐にわたります。ここでは、口ゴボの矯正治療に関してよく寄せられる質問にお答えしていきます。これらの質問と回答を通じて、治療に対する不安を解消し、より深い理解へと繋げていただければ幸いです。

Q1. 矯正でEラインは綺麗になりますか?

矯正治療によってEラインが改善されるかどうかは、口ゴボの原因や治療計画によって異なります。歯並びが原因である歯性の口ゴボの場合、抜歯を行って前歯を十分に後退させることができれば、それに伴い唇の位置も下がり、Eラインが整う可能性は高いです。

しかし、顎の骨格に大きな問題がある骨格性の口ゴボでは、歯列矯正だけではEラインの変化に限界があります。このようなケースでEラインを含めた横顔のバランスを劇的に改善したい場合は、外科矯正を併用することで、より理想的なEラインに近づけることが期待できます。

Q2. 矯正後に後戻りすることはありますか?

はい、矯正治療後には、歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」が起こる可能性があります。これは、歯の周囲の組織(歯槽骨や歯根膜)が新しい位置に完全に安定するまで時間を要するためです。せっかく時間とお金をかけて整えた歯並びが元に戻ってしまうのは避けたいものです。

後戻りを防ぐために最も重要なのが、「リテーナー(保定装置)」の適切な装着です。治療後に歯科医師から指示された通りに、毎日決められた時間リテーナーを装着し続けることが、美しい歯並びを維持するために不可欠です。また、舌で前歯を押す癖や口呼吸などの悪習癖が残っていると、それが後戻りの原因となることもあるため、これらの改善も並行して行うことが大切です。

Q3. 大人になってからでも治療は可能ですか?

はい、大人になってからでも口ゴボの矯正治療は十分に可能です。20代、30代はもちろんのこと、歯と歯茎が健康であれば、40代以降の方でも矯正治療を受けることができます。矯正治療に年齢制限はありません。

ただし、成長期にある子どもの矯正治療と異なり、大人の矯正では顎の成長を利用して骨格的な問題を改善することはできません。そのため、抜歯を伴う治療や、場合によっては外科手術が必要になるケースが多くなる傾向があります。また、歯周病などの口腔内の問題がある場合は、矯正治療を始める前にこれらの治療を優先して行う必要があります。

Q4. 自力で口ゴボを治す方法はありますか?

インターネット上には、トレーニング器具やマッサージなど、自力で口ゴボを治す方法として紹介されている情報を見かけることがありますが、歯や顎の骨格に起因する口ゴボを自力で完全に治すことは「不可能」です。無理な力を加えたり、自己流の矯正を試みたりすると、かえって歯や顎を痛めてしまう危険性がありますので、絶対に避けてください。

ただし、口呼吸を鼻呼吸に改善するトレーニングや、正しい舌の位置(舌が上顎にぴったりと収まっている状態)を意識する習慣は、口周りの筋肉のバランスを整え、間接的に口ゴボの悪化を防いだり、矯正治療後の後戻りを予防したりする上で有益な習慣となります。これらはあくまで補助的なものであり、根本的な治療ではないことをご理解ください。

まとめ:口ゴボの悩みは自己判断せず、まずは専門医に相談しよう

口ゴボの主な原因は、歯の傾き、顎の骨格、あるいは口呼吸などの習慣によるものなど、人によってさまざまです。このため、ご自身の口ゴボがどのタイプに当てはまるのか、そしてマウスピース矯正で改善できるのかどうかを、見た目だけで判断するのは非常に難しいと言えます。

最も効果的で安全な治療法を見つけるためには、まず矯正歯科の専門医による精密な検査と診断が不可欠です。専門医は、レントゲンやCTスキャンなどの詳細な検査結果に基づいて、あなたに最適な治療計画を提案してくれます。多くのクリニックでは無料カウンセリングを実施していますので、不安や疑問を解消するためにも、まずは一歩踏み出して相談してみることを強くおすすめします。

後悔しないクリニック選びの3つのポイント

口ゴボの矯正治療は、時間も費用もかかる大きな決断です。後悔しないためにも、クリニック選びは慎重に行いましょう。ここでは、信頼できるクリニックを見極めるための3つのポイントをご紹介します。

まず1つ目は、「矯正歯科の認定医・専門医が在籍しているか」という点です。認定医や専門医は、高度な知識と豊富な経験を持つ矯正治療のスペシャリストであり、より質の高い治療が期待できます。2つ目は、「精密検査(セファロ分析など)を重視しているか」です。口ゴボの原因を正確に特定し、適切な治療計画を立てるためには、セファログラムなどの精密な分析が不可欠です。科学的根拠に基づいた診断を行ってくれるクリニックを選びましょう。

そして3つ目は、「複数の治療法(マウスピース、ワイヤー、外科矯正連携など)を提案してくれるか」です。特定の治療法に固執せず、患者さま一人ひとりの口ゴボの原因や状態、希望に合わせて、マウスピース矯正、ワイヤー矯正、場合によっては外科矯正との連携まで含めて、幅広い選択肢の中から最適な治療法を提案してくれるクリニックであれば、安心して任せられるでしょう。

無料カウンセリングで確認すべきことリスト

矯正治療の無料カウンセリングは、ご自身の口ゴボの状態や治療法について深く理解し、クリニックとの相性を見極める貴重な機会です。疑問や不安を解消し、納得して治療に進むために、以下の質問リストを参考にしてください。

・私の口ゴボの主な原因は何ですか?(歯性、骨格性、習慣性など)

・マウスピース矯正は私のケースに適応しますか?適応する場合、どの程度の改善が見込めますか?

・抜歯は必要ですか?抜歯する場合、どの歯を抜きますか?

・治療期間の目安はどれくらいですか?

・治療費の総額はいくらですか?(検査料、調整料、保定装置代など、追加費用が発生する可能性はありますか?)

・治療によるリスクやデメリット、注意点があれば教えてください。

・支払い方法(分割払いなど)や保証制度はありますか?

これらの質問を事前に準備し、カウンセリング時に積極的に尋ねることで、冷静に情報を整理し、ご自身にぴったりのクリニックと治療法を見つけることができるでしょう。

 

少しでも参考になれば幸いです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。

 

監修者

成田 展章 | Nobuaki Narita

東北大学歯学部卒業後、千葉国際インプラントセンターに勤務、
2015年しらかわファミリー歯科開業、2021年川口サンデー歯科・矯正歯科開業

 

【略歴】

東北大学歯学部 卒業
千葉国際インプラントセンター
しらかわファミリー歯科開業
川口サンデー歯科・矯正歯科開業
浦和サンデー歯科・矯正歯科開業

 

川口市イオンモール川口3階の歯医者・矯正歯科
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