川口市イオンモール川口3階の歯医者・矯正歯科「川口サンデー歯科・矯正歯科」です。
毎日欠かさず歯磨きをして、フロスも使っているのに、なぜか歯にぬめりを感じたり、口臭が気になったりすることはありませんか。もしかしたら、「きちんと磨けているつもり」でも、歯垢（プラーク）が残ってしまっているのかもしれません。
この記事では、なぜ歯磨きとフロスをしても歯垢が残ってしまうのかという根本的な理由から、歯科衛生士のようなプロが実践する、自宅でできるセルフケアの具体的な方法まで、詳しく解説していきます。また、セルフケアだけでは限界がある歯垢や歯石の「完全除去」のために、歯科医院で受けられる専門的なケアの重要性についてもご紹介します。この記事を読めば、あなたの口腔ケアに対する疑問が解消され、今日から実践できる効果的な方法がきっと見つかるはずです。
なぜ？歯磨きとフロスをしても歯垢（プラーク）が残ってしまう理由
毎日欠かさず歯磨きをしてフロスも使っているのに、なぜか歯の表面がぬるついたり、歯科医院で「磨き残しがありますね」と指摘されたりすることはありませんか。多くの方が「毎日ケアしているから大丈夫」と思いがちですが、実は歯ブラシとフロスだけでは歯垢を完全に除去するのは非常に難しいことなのです。歯垢が残ってしまう主な理由としては、「歯ブラシの限界」「フロスの不適切な使用」「個人の口内環境」の3点が挙げられます。これらの要素がどのように歯垢の取り残しにつながるのかを、これから詳しく見ていきましょう。
歯ブラシだけでは約6割しか落とせていない現実
歯ブラシによる歯垢除去率は、実は約60%程度に留まると言われています。毎日丁寧に磨いているつもりでも、歯ブラシの毛先が届く範囲には限界があるため、およそ4割もの歯垢が口腔内に残ってしまっている可能性があるのです。歯ブラシの毛先は、主に歯の表面や噛み合わせの面を清掃することに優れています。
しかし、歯と歯の間や、歯と歯茎の境目（歯周ポケットと呼ばれる部分）は、歯ブラシの毛先が入り込みにくいため、十分な清掃が難しい場所です。これらの部分は歯垢が最も溜まりやすい「魔のゾーン」とも言われており、虫歯や歯周病のリスクを高める原因となります。ご自身の歯磨きを振り返ってみると、奥歯の裏側や歯が重なっている部分など、なんとなく磨きにくいと感じる場所がありませんか。そこがまさに、歯垢が残っている可能性が高い場所なのです。
フロスの使い方が不十分で歯垢を取りこぼしている
「フロスを使っているから大丈夫」と思っていても、その使い方が不十分だと歯垢を取りこぼしている可能性があります。フロスは歯ブラシでは届かない歯と歯の間の歯垢を除去するために非常に有効なツールですが、ただ歯間に通すだけではその効果は半減してしまいます。
多くの人がやりがちな間違いとして、フロスを歯間に通す際に歯の側面に沿わせずに直線的に動かしてしまうケースが挙げられます。また、フロスをのこぎりのように前後に動かすだけで、歯の側面に沿わせて上下に動かしていない、あるいは歯茎の少し中までしっかり入れ込んでいない、といった不適切な使用法も少なくありません。このような使い方では、歯の側面や歯周ポケット内にこびりついた歯垢を効率的に掻き出すことができません。正しい使い方を習得することで、フロスの歯垢除去効果を最大限に引き出すことができます。
歯並びや被せ物など「磨きにくい場所」の存在
個人の口内環境も、歯垢除去を難しくする大きな要因となります。例えば、歯が重なり合っている部分（叢生と呼ばれる状態）や、ブリッジ、インプラントといった人工物がある場所、そして矯正装置の周りなどは、歯ブラシやフロスの毛先が届きにくく、どうしても歯垢が溜まりやすくなります。
特に奥歯に生えている親知らずの周りは、口腔の奥に位置するため歯ブラシが届きにくく、歯茎が炎症を起こしやすいリスク部位です。これらの「磨きにくい場所」は、通常のセルフケアだけでは清掃が非常に困難であり、歯垢の温床となって虫歯や歯周病の進行を招きやすい特徴があります。ご自身の口の中にこのような場所がある場合は、特別なケアが必要となることを意識しておくことが大切ですいです。
歯垢と歯石の基本｜放置するとどうなる？
毎日の丁寧な歯磨きやフロス、歯間ブラシでのケアはとても大切ですが、それでも取りきれない汚れが、実は歯垢や歯石として残ってしまいます。このセクションでは、セルフケアではなかなか落としきれない「歯垢」と「歯石」の正体と、それらを放置することで口の中でどのようなトラブルが引き起こされるのかを詳しく見ていきましょう。
歯垢（プラーク）とは？虫歯や歯周病の原因となる細菌の塊
歯垢とは、単なる食べカスではありません。実は、お口の中に潜む無数の細菌が、歯の表面にネバネバとした膜状に集まって形成される「バイオフィルム」と呼ばれる細菌の塊なのです。食後数時間で形成され始め、その粘着性の高さから、うがいをするだけでは簡単に洗い流すことはできません。
歯垢1mgのなかには、なんと数億個もの細菌が存在していると言われています。虫歯の原因となるミュータンス菌や、歯周病を引き起こす歯周病菌など、お口の健康を脅かすさまざまな種類の細菌がこの歯垢の中にびっしりと住み着いているため、まさに「細菌の巣窟」と言えるでしょう。この歯垢を放置することが、虫歯や歯周病の最大の原因となるのです。
歯石とは？歯垢が硬くなったものでセルフケアでは除去不可
歯石とは、歯垢が唾液中に含まれるカルシウムやリンなどのミネラル成分と結びつき、石灰化して硬くなったもののことです。歯垢が歯石へと変化するまでには、個人差はありますが約2週間程度かかるとされています。一度歯石になってしまうと、その硬さは歯ブラシやデンタルフロスといったセルフケア用品では決して取り除くことができません。
特に、唾液腺の開口部がある下の前歯の裏側や上の奥歯の外側には歯石がつきやすい傾向があります。歯石は非常に硬く、ご自身で無理に取ろうとすると歯や歯茎を傷つけてしまうリスクがあるため、歯科医院で専門的な器具を使って除去してもらう必要があります。
放置は危険！歯垢・歯石が引き起こす口内トラブル
歯垢や歯石を放置することは、さまざまな口内トラブルの引き金となります。まず、歯垢の中にいる細菌が出す毒素は、歯茎に炎症を引き起こし「歯肉炎」の原因となります。歯肉炎になると歯茎が赤く腫れて、歯磨きの際に出血しやすくなります。
さらにこの炎症が進むと、歯を支える骨が徐々に溶かされていく「歯周病」へと進行します。歯周病が進行すると、最終的には歯が抜け落ちてしまうこともある、非常に恐ろしい病気です。
また、歯垢の中の虫歯菌が出す酸は、歯のエナメル質を溶かし「虫歯」を引き起こします。一度できてしまった歯石の表面はザラザラしているため、さらに歯垢が付着しやすくなり、虫歯や歯周病を一層進行させるという悪循環に陥りやすくなります。歯垢と歯石をためないことが、お口の健康を守る上で何よりも重要なのです。
歯垢除去率を90%以上へ！プロが実践するセルフケアの極意
毎日の歯磨きやフロスを頑張っていても、歯科で歯垢や歯石を指摘されると、自分のケア方法が本当に正しいのか不安になりますよね。しかし、ご安心ください。毎日のセルフケアを少し工夫するだけで、現状60%程度といわれる歯垢除去率を、90%以上に引き上げることが可能です。このセクションでは、歯科衛生士が実践するようなプロの視点を取り入れたセルフケアの極意をご紹介します。これからお伝えする「歯ブラシの当て方」「フロスの正しい使い方」「補助的清掃用具の活用」という3つのステップを実践することで、ご自身の口内環境を大きく改善し、健康な状態を維持できるようになります。
【ステップ1】歯ブラシの選び方と正しい磨き方「バス法」
歯垢を効率的に除去するためには、歯ブラシの選び方と正しい磨き方が非常に重要です。まず、歯ブラシはヘッドが小さく、毛が柔らかめのものを選ぶことをおすすめします。ヘッドが小さいことで奥歯や歯の裏側など、細かい部分にも毛先が届きやすくなります。また、毛が柔らかいことで、歯や歯茎を傷つけるリスクを抑えつつ、歯周ポケット内の歯垢を優しく掻き出すことができます。
次に、効果的な歯磨き方法として歯科専門家が推奨する「バス法」を実践してみましょう。バス法は、歯と歯茎の境目、つまり歯周ポケットの歯垢を特によく除去できる磨き方です。具体的には、歯ブラシの毛先を歯と歯茎の境目に45度の角度で当て、力を入れすぎずに横に小刻みに振動させるように動かします。このとき、歯周ポケット内の歯垢を掻き出すイメージで、1〜2本ずつ丁寧に磨き進めるのがポイントです。ゴシゴシと強く磨くのではなく、優しく細かく動かすことを意識してください。
【ステップ2】デンタルフロスの効果を最大化するコツ
デンタルフロスは歯ブラシでは届きにくい歯と歯の間の歯垢を除去するために不可欠なアイテムですが、ただ歯間に通すだけではその効果は半減してしまいます。フロスの効果を最大限に引き出すためには、「歯の側面に沿わせること」が最も重要です。このテクニックを習得することで、歯間の歯垢を効率的に、かつ確実に除去できるようになります。次からは、フロスの種類と、歯の側面に沿わせる具体的な動かし方について詳しく解説していきます。
Y字ホルダータイプとロールタイプの使い分け
デンタルフロスには大きく分けて「Y字ホルダータイプ」と「ロールタイプ」の2種類があります。Y字ホルダータイプは、フロスがホルダーにセットされているため、初心者の方でも比較的簡単に歯間に通すことができます。特に奥歯にも届きやすく、忙しい朝など時間がないときにも手軽に使える点がメリットです。
一方、ロールタイプは糸状のフロスを指に巻きつけて使用します。慣れるまでは少しコツが必要ですが、常に新しい清潔な面を使って歯間を清掃できるため衛生的です。また、フロスを自由に操れるため、歯のカーブや側面に沿わせやすく、より精密な歯垢除去が可能です。ご自身のライフスタイルや使いやすさに合わせて、最適なタイプを選びましょう。
歯の側面に沿わせ「Cの字」を描くように動かす
デンタルフロスによる歯垢除去の核心は、「Cの字」の動かし方です。まず、フロスをゆっくりと歯間に挿入し、歯茎に到達したら、片方の歯の側面に沿わせるようにフロスを「C」の形に巻きつけます。このとき、フロスが歯を包み込むような形になるイメージです。
フロスを歯茎の中に1〜2mm程度優しく挿入したら、歯の側面から歯茎の境目、さらに歯間全体を、上下に数回（5～7回程度）動かして歯垢を掻き出します。力を入れすぎると歯茎を傷つけてしまうため、優しく丁寧に行うことが大切です。片側の歯が終わったら、フロスのCの字の形を反対側に巻き替え、隣り合うもう片方の歯の側面も同様に清掃します。この「Cの字」の動かし方をマスターすることで、歯ブラシでは届かない歯の側面や歯周ポケットの歯垢を徹底的に除去できます。
【ステップ3】歯間ブラシを併用して死角をなくす
デンタルフロスだけでは清掃しきれない部分を補うために、歯間ブラシの併用が効果的です。歯間ブラシは、歯茎が下がって歯と歯の間の隙間が大きくなっている場所や、ブリッジの下、矯正装置の周りなどに特に有効です。これらの場所は歯ブラシやフロスだけでは歯垢が残りやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
歯間ブラシを選ぶ際は、無理なく挿入できるサイズを選ぶことが重要です。小さすぎると効果が薄く、大きすぎると歯茎を傷つける原因になります。サイズが分からない場合は、歯科医院で相談して適切なものを選んでもらいましょう。使い方は、歯茎を傷つけないように、歯と歯の間に真っ直ぐ挿入し、数回軽く往復させるのが基本です。歯間ブラシを併用することで、お口の中の「死角」をなくし、より高い歯垢除去率を目指せます。
【仕上げ】フッ素配合歯磨き粉や洗口液で歯垢の再付着を防ぐ
物理的な歯垢除去の後は、フッ素配合歯磨き粉や洗口液（マウスウォッシュ）を使って、残った細菌の活動を抑制し、歯垢の再付着を防ぐ仕上げのケアを行いましょう。フッ素配合歯磨き粉は、歯質を強化して虫歯菌の出す酸への抵抗力を高める効果（再石灰化促進、脱灰抑制）があります。
また、殺菌成分配合のデンタルリンス（洗口液）は、磨き残した細菌の活動を抑制し、新たな歯垢の付着を抑制する効果が期待できます。ただし、これらのアイテムはあくまで補助的な役割であり、歯ブラシやフロス、歯間ブラシによる物理的な歯垢除去が最も重要です。仕上げケアを上手に取り入れて、健康な口腔環境を維持しましょう。
セルフケアの限界｜「完全除去」にはプロの力が必要な理由
これまで、毎日の丁寧な歯磨きやフロスの使用がいかに大切かをお伝えしてきました。しかし、どんなに完璧なセルフケアを毎日実践しても、残念ながら歯垢を100%完全に除去することは非常に難しいのが現実です。最終的に口腔内の健康を維持し、虫歯や歯周病から歯を守るためには、ご自身のセルフケアだけでは限界があります。そのため、定期的に歯科医院でプロによるケアを受けることが不可欠です。
このセクションでは、なぜセルフケアだけでは限界があるのか、そして歯科医院で行われる専門的なクリーニングがどのように歯垢の「完全除去」と健康な口内環境の維持に貢献するのかを詳しく解説していきます。
自分では見えない・取れない歯垢や初期の歯石
セルフケアの大きな限界として、まず「見えない部分」の存在が挙げられます。鏡を使っても、奥歯の裏側や歯と歯が重なり合っている部分、歯周ポケットの深いところなど、歯ブラシの毛先やフロスが届きにくい、あるいは肉眼では確認しづらい場所には、どうしても歯垢が残りやすくなってしまいます。
そして、わずかに残ってしまった歯垢は、時間の経過とともに硬くなり「歯石」へと変化します。歯垢が歯石に変わるまでには約2週間程度かかると言われていますが、一度歯石になってしまうと、歯ブラシやフロスではどんなに頑張っても除去することはできません。初期の段階でまだ柔らかい歯垢であっても、磨き残しが蓄積すれば、いずれは歯石化してしまうのです。
このような、自分では見つけられず、取り除くこともできない歯垢や歯石こそが、虫歯や歯周病といった将来的な口腔トラブルの大きな原因となります。つまり、日々のセルフケアで完璧を目指すことは素晴らしいですが、どうしても取りこぼしてしまう部分があることを認識しておくことが大切です。
歯科医院で行う「PMTC」でツルツルの歯に
歯科医院で行われるプロフェッショナルケアの代表的なメニューの一つに「PMTC（Professional Mechanical Tooth Cleaning）」があります。これは、歯科医師や歯科衛生士といった専門家が、特別な機械とフッ素入りの研磨ペーストを用いて、すべての歯の表面を徹底的にクリーニングする処置のことです。
PMTCでは、普段の歯磨きでは落としきれない歯と歯の隙間や、歯周ポケットの浅い部分にこびりついた歯垢（バイオフィルム）を、一本一本丁寧に除去していきます。専門的な器具を使うことで、歯の表面を傷つけることなく、隅々まで磨き上げることが可能です。
PMTCの大きなメリットは、処置後に歯の表面が非常にツルツルになることです。歯の表面が滑らかになることで、歯垢や着色汚れが再付着しにくくなり、清潔な状態を長く保つことができます。また、フッ素入りの研磨ペーストを使用するため、歯質が強化され、虫歯予防にもつながります。
歯石はスケーリングで除去｜保険適用の範囲は？
歯にこびりついてしまった歯石は、PMTCだけでは除去できません。そこで必要になるのが「スケーリング」という処置です。スケーリングでは、「スケーラー」と呼ばれる専用の器具が使われます。超音波の振動で歯石を粉砕して除去する超音波スケーラーや、手作業で歯石を剥がし取るハンドスケーラーなどを使い分け、歯の表面や歯周ポケット内部の硬い歯石を確実に取り除きます。
多くの方が気になる保険適用についてですが、スケーリングは「歯周病の治療」を目的として行われる場合に保険が適用されます。例えば、歯周病の診断を受け、その治療の一環として歯石除去が必要と判断された場合がこれに該当します。しかし、「予防」や「審美（歯の着色汚れの除去）」を主な目的としたクリーニング、例えばPMTCなどは、一般的に保険適用外となり、自費診療となることが多いです。
ご自身の口腔内の状態や治療目的によって保険適用の有無が変わるため、歯科医院で具体的な費用や治療内容について相談することをおすすめします。
歯垢・歯石に関するよくある質問
ここまで、ご自宅でのセルフケアのポイントや、歯科医院でのプロケアの重要性について詳しく解説してきました。しかし、「まだ気になることがある」という方もいらっしゃるかもしれませんね。ここでは、特に多く寄せられる質問を3つピックアップして解説します。
Q. 市販の歯石取り（スケーラー）は使ってもいい？
「市販の歯石取り（スケーラー）は、絶対に使用しないでください」これが私たち歯科専門家からのお願いです。一見便利そうに見えるかもしれませんが、ご自身で使われることには多くの危険が伴います。まず、専門知識がない方が使用すると、歯の表面にあるエナメル質という硬い層を傷つけてしまうリスクがあります。エナメル質が傷つくと、その部分に歯垢や着色汚れがさらに付着しやすくなり、逆効果になってしまいます。
また、歯茎を誤って傷つけてしまい、出血や炎症、さらには感染症を引き起こす可能性もあります。歯茎の縁や歯周ポケットの中に歯石がある場合、ご自身では確認が難しく、無理に除去しようとすると、歯茎を剥がしてしまったり、歯周組織を損傷したりする恐れがあるのです。さらに、市販のスケーラーでは歯石を完全に除去することは難しく、一部分だけが残ってしまうと、その残った歯石のザラザラした部分に新たな歯垢がより強固に付着しやすくなり、かえって細菌の温床を作ってしまうことにもなりかねません。
歯石は非常に硬く、専門的な知識と技術、そして専用の医療器具がなければ安全かつ確実に除去することはできません。ご自身で歯石が気になったら、まずは歯科医院を受診し、プロによる適切な診断と処置を受けるようにしましょう。
Q. 歯垢がつきやすい人の特徴はありますか？
歯垢のつきやすさは、日々の生活習慣や口の中の状態によって大きく変わります。ご自身の口内環境や生活習慣を振り返ってみて、以下のような特徴に当てはまるものがないかチェックしてみましょう。
甘いものや柔らかいものをよく食べる食生活を送っている方：糖分は歯垢内の細菌の栄養源となり、柔らかい食べ物は歯に残りやすいため、歯垢の形成を助長します。
唾液の量が少ない（ドライマウス）方：唾液には口の中の汚れを洗い流したり、細菌の増殖を抑えたりする自浄作用があります。唾液が少ないと、歯垢がつきやすくなります。
喫煙習慣がある方：喫煙は唾液の分泌を減らし、歯茎の血行を悪くするため、歯垢や歯石が付着しやすくなります。
歯並びが悪い方：歯が重なっていたり、デコボコしている部分は歯ブラシの毛先が届きにくく、歯垢が残りやすくなります。
不適合な被せ物や詰め物がある方：古い被せ物や詰め物の境目に段差や隙間があると、そこに歯垢が溜まりやすくなります。
口呼吸の癖がある方：口呼吸は口の中を乾燥させ、唾液の自浄作用を低下させるため、歯垢の付着を促進します。
これらの特徴に当てはまる場合は、より一層丁寧なセルフケアと、定期的な歯科検診が重要になります。
Q. 歯科医院でのクリーニングはどのくらいの頻度で受けるべき？
歯科医院での定期検診や専門的なクリーニングの頻度は、患者さんお一人おひとりのお口の状態によって異なりますが、一般的には「3ヶ月〜6ヶ月に1回」が目安とされています。これは、歯垢が歯石に変化するまでの期間が約2週間であることや、お口の中の細菌が増殖するサイクルなどを考慮したものです。
ただし、この頻度はあくまで平均的なケースであり、全ての方に当てはまるわけではありません。例えば、歯周病の進行リスクが高い方、すでに歯周病の治療中の方、矯正治療中の方、あるいは歯垢が特に付きやすい生活習慣の方などは、より短い間隔でのケアが必要になる場合があります。具体的には、1ヶ月〜3ヶ月に1回の頻度をおすすめすることもあります。
ご自身に最適なクリーニング頻度を知るためには、最終的にはかかりつけの歯科医師や歯科衛生士と相談することが最も重要です。定期的にお口の状態をチェックしてもらい、リスクに応じた適切な間隔でプロケアを受けることで、健康な口腔環境を維持し、虫歯や歯周病の予防に繋げましょう。
まとめ：毎日の正しいケアと定期的なプロケアで歯垢の完全除去を目指そう
歯磨きとフロスを毎日頑張っていても、なかなか歯のぬめりが取れなかったり、歯科医院で歯石を指摘されたりすると、「自分のケアでは不十分なのだろうか」と不安に感じるかもしれません。しかし、歯垢の完全な除去と健康な口腔環境の維持には、日々のセルフケアと歯科医院でのプロフェッショナルケアの「両輪」が不可欠です。
まず、ご自宅でのセルフケアでは、ご紹介した「バス法」による正しい歯ブラシの当て方や、デンタルフロスを「Cの字」に沿わせて歯の側面を磨くテクニックを実践してみてください。これらの工夫を取り入れることで、現在の歯垢除去率を大きく高められるでしょう。また、歯間ブラシやフッ素配合の歯磨き粉、洗口液なども活用し、セルフケアの質を最大限に高めることが大切です。
そして、セルフケアだけではどうしても取りきれない歯垢や、一度できてしまうとご自身では除去できない歯石は、定期的に歯科医院でリセットする必要があります。PMTCで歯の表面をツルツルに磨き上げたり、スケーリングで歯石を徹底的に除去したりすることは、将来の虫歯や歯周病予防に繋がります。毎日の丁寧なケアを実践しつつ、3ヶ月から6ヶ月に一度は歯科医院を受診して、プロの力も借りながら歯垢の「完全除去」を目指しましょう。今日からできる一歩を踏み出すことで、きっと健康で清潔な口元を保てるはずです。
少しでも参考になれば幸いです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。
監修者
東北大学歯学部卒業後、千葉国際インプラントセンターに勤務、
2015年しらかわファミリー歯科開業、2021年川口サンデー歯科・矯正歯科開業
【略歴】
・東北大学歯学部 卒業・千葉国際インプラントセンター
・しらかわファミリー歯科開業
・川口サンデー歯科・矯正歯科開業
・浦和サンデー歯科・矯正歯科開業
川口市イオンモール川口3階の歯医者・矯正歯科
川口サンデー歯科・矯正歯科
住所：埼玉県川口市安行領根岸 3180 イオンモール川口3階
TEL：048-287-8010